人生

ADHDの人が車の運転をすることは可能なのか

こんにちは。ミンです。

大人の発達障害なるものが注目されるようになって久しいですが、テーマになるのはほとんど仕事上の適応困難のことばかり。車の運転についてはそれほど話題になりませんよね。

ADHD当事者としては
「みんな車の運転ってどうしてるんだろう?困ってないのかな?」と気になりますし
人の安全にかかわることなので、もっと議論が交わされるべきだと思っています。

結論を先に書いてしまいますが、私の個人的な意見としては「運転に自信がなかったり、周囲から指摘を受けたりするのであれば可能な限り運転は避けたほうがいいと考えています。

運転しなければ事故を起こすリスクは無いですもんね。

ADHDの症状は個人差がとても大きいので「絶対に運転しちゃいけない」とは言い切れませんが、もし運転するのであれば自分の症状・特性をしっかり把握して、十分な事故対策をする責任があると思います。

別の記事に私が事故防止のために心掛けているポイントを書いています。
運転時の約束事を決めることで事故のリスクを大きく減らすことができます!
よかったらこちらもご覧ください。

ADHDの人が安全に運転するためのコツよほど便利な地域にお住まいでない限り避けられない車の運転。 「運転苦手だなぁ」と思っていても、通勤や買い物お子さんの送り迎えや介護など...

なぜADHDの人の車の運転が問題になるか

さて、なぜADHDの人の車の運転が問題になるかと言いますと。

一般的にADHDの人は
『不注意で集中力が続かない。落ち着きがなく癇癪を起こしやすい』
などの特性があると言われています。

いかがでしょうか。

えっ?運転していいの?いやいやいや!するなよ!明らかに適性ないやろ!

と、多くの人は思うはずです。当事者の私でさえそう思いますもん。

しかしながら、日本社会の現状を見てみると・・・
運転免許を持っていることが当たり前のような世の中ですし、運転が苦手という自覚があっても、住んでいる地域や仕事、家庭の都合で運転せざるを得ない方も多いですよね。

私が運転時に困ること

大きく分けて下の3つに悩まされます。

  1. 車両感覚がつかめない
  2. 眠くなりやすい、気になることがあると集中できない
  3. びっくりしやすい

車両感覚がつかめない

車の運転を始めた頃は自分の特性に気づかず、
「うほほ♪運転ってたっのしぃ~♪」と浮かれており、
時には華麗なハンドリングで実家の車をガードレールに頬ずりさせていました。

車の前後左右がどこまであるのかわからないのです。

運転がうまい友人に相談したら
「そんなの慣れだよー!運転席からの見え方を意識して
何回か練習すれば出来るようになるって!」
と言われましたが、何年か運転してさすがに気づきました。

どんだけ意識したって待てど暮らせど一向に慣れへんがな!
そもそも意識って何!!心の目!?( ゚д゚ )

そんなわけで、狭い道で対向車とすれ違うときイヤ~な気持ちになります。

更に路上駐車がしてあるとますます緊張感は高まります。

普通は路駐している車をスイッと避けて通るところなのでしょうが、私はよほど道幅に余裕がない限り停車して対向車が過ぎ去るのを待ちます。

後ろのドライバーさん、どんくさくてごめんなさい…

どうにも、ADHDの人は
方向音痴だったり空間認識能力が弱かったりする傾向があるのだとか。
これは運転する上では大きな障壁となります。

眠くなりやすい、ぼんやりしてしまう

緊張が保ちづらいのか、集中力が途切れやすいせいなのか、
とにかく眠くなりやすい。ADHDの人は睡眠障害があることも多いそうです。

昔は睡魔との付き合い方がわからず、運転中に我慢できないくらい眠くなってしまうこともあり、目的地までの道のりで何度もコンビニに車を停めて仮眠にとどまらず熟睡していました。

また、仕事のことで気持ちが沈んでいたりすると
知らぬ間に意識が遠くへいってぼんやりしてしまいます。

免許取得時の適性検査では
「感情の乱れが運転に影響しやすいタイプです。
細心の注意を払って運転に集中してください」
といった警告じみた文言が書いてありました。

当時は「うわwww私なんかメンタル弱めらしいwww」と
能天気なことを考えていましたが
今思えばあの適性検査の結果はかなり信頼がおけるものだとわかります。

そして当時の自分の浅はかさに心底呆れます。

びっくりしやすい

  • うっかり曲がるべき道を通り過ぎてしまったとき頭が真っ白になる
  • 急な飛び出しやクラクションの音に過度に反応してしばらくドキドキが止まらない
  • パトカーがいきなり唸りだすとハンドリングが乱れる

臆病な私はいろんな心配をしながら運転しているわけですが、
突然想定外のことが起こるとパニックに陥りやすいです。

やんちゃな車には要注意。

ADHDの人が車の運転を仕事にすることは可能なのか

人間関係がいつもうまくいかない私としては、就業中の多くの時間を車内でひとりで過ごせる運送の仕事に強い憧れがあります。

しかし人生ってうまくいかないようにできているようです・・・
そんな理想の職に就くのはは夢のまた夢。
なんといっても私は定型発達の人と比べて運転がスムーズにできません。
仕事中に事故を起こしたり迷子になったりして取り返しのつかないことになってしまうといけないので、日々嫌な汗をかきながら人間関係に神経を尖らせる仕事を続けています。

運転中の注意力や感情のコントロールにそれほど問題のない方は車の運転を仕事にすることも可能かもしれませんが、私の場合はドライバーの仕事は諦めました。

結局ADHDの人は運転して大丈夫なの?

ADHDの症状・運転の適性は個人差が大きいので
定型発達だからOK!ADHDだからダメ!という
単純な線引きはできないと思います。

ですがADHDの人は人一倍気を付けなければならないのは間違いないでしょう。

車の運転ってあまりにも日常に溶け込みすぎて
当たり前のようにやっている人が多いと思います。

毎日のことだと、どうしても緊張感が薄れてきますもんね。

しかし運転は一瞬の判断ミス、操作ミスが人の命に関わる物凄く責任の重い行為です。
そして残念なことにどれだけ気をつけていても、事故は一定数起こってしまうものです。

自分の特性を分析したうえで適切な対処をして、
くれぐれも人を傷つけることのないよう安全運転しましょう。

自分への戒めも兼ねてここに記しておきます。

 

次の記事では私が運転するときに注意しているポイントを書いておきます。
よかったらこちらもご覧ください。

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